身近な場所にクリニックはたくさんあり、最近では一つのクリニックをかかりつけ医に決めて、定期的に通院する形が多くなっています。来院される患者は一人ひとり、生活環境も違えば病状も異なり、複数の病気を抱え専門外の病気を患う人もいます。そんなクリニックで働く看護師にはまず、看護の知識や技術が求められ、それと同等で相談しやすい存在であるということも求められます。
クリニックには毎日、多くの人が来院しますが、医師が一人ずつじっくり話を聞く時間が持てないのが現状です。とはいえ、総合病院のように相談できる窓口は設けられておらず、そんな時に信頼して話せる存在として、クリニックの看護師が役割を果たします。患者の体調や顔色を観察しながら話しかける、処置をする時に日常の様子を伺う、検査の説明の時に不安はないか患者の声に耳を傾けるなど、「この人は話を聞いてくれる」「困っていることを相談できる」そういう信頼関係を築いていくのです。そうする中で医師に伝えることができなかった情報を得ることができ、持病の悪化や体調の変化の早期発見につなげることもできます。福祉や介護面の相談に乗ることで日常の困りごとも解決に導くことができるでしょう。
患者が安心して日常が送れるよう心配りをすること、それはクリニックで働く上で看護技術や病気の知識を持っていることと同じように必要なことといえます。身近に話しやすく信頼できる看護師でいること、それはかかりつけ医の役割を担うクリニックで働く看護師の大切な役割なのです。